出世稲荷「栄転」なるか。京都二条・秀吉ゆかりの神社、観光地・大原へ移転

Japaaan編集部

千年の都・京都。その地に建つ神社となれば、それこそ千年以上同じ場所に鎮座し続けてると思われがちです。いやもちろん、そういうところもたくさんあるわけですが、各種の事情で移転を余儀なくされる神社も結構、あります。戦乱や火災、現代では道路拡張や再開発などで、新天地を求めざるを得なくなるわけです。

この5月の末に移転が発表された出世稲荷のケースは、その最新版。世界遺産二条城の最寄り駅・JR二条駅から少し北へ上ったところに建つ、出世稲荷神社。凄い名前ですが、その由来は「出世」を人生そのもので体現してしまった人、豊臣秀吉です。秀吉が京都における居城として築城した聚楽第の中へ、稲荷社を勧請。聚楽第はのちになくなりましたが、稲荷は場所を変えて生き残り、やがて秀吉の出世ぶりにちなんで出世稲荷の名で呼ばれるようになりました。


一時は鳥居が300本も並ぶ「出世ぶり」を見せたという出世稲荷ですが、近年は再開発著しい二条駅周辺エリアにあって、まわりの建物に若干押され気味。老朽化した本殿などの修復コストを考慮した上で、思い切って新天地・大原への移転を決意したそうです。見ようによっては「出世」とは正反対の展開ですが、しかし大原といえば京都でも有数の観光地。おまけに、出世稲荷の新天地はあの三千院の近所。女性が多く訪れるスポットであり、恋のみならず仕事での出世も祈願できる新たなパワスポに成長するかも知れません。そうなれば正に「出世」、いや「栄転」です。

現在地はすでに工事中。大原の参拝は7月3日から開始。旧本殿は解体されますが、日本画家・堂本印象による登り竜の天井図、日本最初の映画監督・牧野省三+日本最初の映画スター・尾上松之助が奉納した石鳥居などは、ちゃんと大原へ移転されます。

出世稲荷、大原へ移転 京都新聞

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