「上品」「下品」は仏教用語!?
皆さんは、他人の身なりや行動を見て「あの人は上品ね」「あの人は下品だな」と思ったことはありませんか?
普段何気なく使っていることの多い「上品」「下品」という言葉ですが、改めてその意味や由来は?と問われると、なかなか答えにくいのではないでしょうか。
そもそも「品」とは、なんのことを指しているのでしょう?
実はこれ、どちらも仏教から来ている言葉だったのです。
死後に極楽浄土へいくときにかかわってくる「上品・下品」
「上品(じょうぼん)」「下品(げぼん)」は、仏教の宗派の1つである浄土宗の教えの中の「九品(くほん)」から来た言葉です。
これは人間の品格を9つに分けたものですが、生前の「品格」つまりその人の「人柄・性格・言葉遣いや行い」などは、亡くなった後の「往生」にかかわってくるのだと言います。
お寺にある阿弥陀如来像を見ると、必ず独特の手の組み方をしていますよね。
浄土宗の教えによると、人間が亡くなるときには極楽浄土から阿弥陀如来がやってきて、その人の品格による往生のしかたを9種類の「印(いん)」という手の組み方で示すのです。
その9つは、上から順に
・上品上生(じょうぼんじょうしょう)
・上品中生(じょうぼんちゅうしょう)
・上品下生(じょうぼんげしょう)
・中品上生(ちゅうぼんじょうしょう)
・中品中生(ちゅうぼんちゅうしょう)
・中品下生(ちゅうぼんげしょう)
・下品上生(げぼんじょうしょう)
・下品中生(げぼんちゅうしょう)
・下品下生(げぼんげしょう)
となり、いちばん品がいいのが「上品上生」、いちばん悪いのが「下品下生」となります。