西洋のモンスター、吸血鬼は人の生き血をすする恐ろしい存在で、人々は身を守るために十字架を持ったり銀のナイフで撃退したり、また吸血鬼が苦手だというにんにくを食べたり……と退治のためにいろいろ準備しますよね。
同じように、日本の妖怪(または神)である天狗にも、苦手とする食べ物があるというのです。
それが青魚なんだとか。
江戸時代に多発した天狗攫い
不思議なことや奇妙なことを妖怪や神のしわざとするのは古くからあることで、江戸時代ごろは子どもが突然いなくなってしまうことを「天狗攫い(てんぐさらい)」と呼びました。「神隠し」と同じかどわかしですね。
子どもはそのまま永遠にいなくなるのではなく、ある一定の期間を置くと戻ってきたそうです。その際、どうしていたのかと聞くと「各地を巡っていろんなところを見た」などと話すのだそう。
大人はこれを不思議がって、「天狗に攫われたのだ」と話す子どものあり得ない話を信じざるを得なかったようです。