広島県、あるいは広島市―
島ではないのに「ヒロシマ」と発音し、「広島」と書きます。これはなぜでしょうか。
実は、現在の広島城周辺の市街地は古代にはそのほとんどが海中にあり、1400年ごろには、一帯に三角州が複数形成されていたといわれています。三角州とは、河川の上流から流れてきた土砂が堆積することによって形成される地形のことです。
広島という地名は、周辺を流れる太田川という川の堆積作用によって形成された三角州が、まるで海に浮かぶ島々のようにみえたことから生まれたと考えられています。
また、広島城を築城した毛利輝元(もうりてるもと)が、毛利家の祖先である大江広元(おおえ の ひろもと)と、元々広島にいた豪族で築城場所の選定にも携わった福島元長の名前から、一文字ずつとって広島としたとも伝えられています。
2ページ目 明治以降、中小河川が埋め立てられ広島の地形が形成