明治時代に活躍した浮世絵師・日本画家の河鍋暁斎(かわなべきょうさい)や小林清親(こばやしきよちか)らと共に、”最後の浮世絵師”と呼ばれることの多い月岡芳年(つきおかよしとし)。
月岡芳年の画業の全貌を紹介する展覧会「芳年ー激動の時代を生きた鬼才浮世絵師」が、8月5日(日)から開催されます。
月岡芳年の作品には、暴力や殺しなどをテーマにした”無惨絵”と呼ばれる様式で描かれたものが多く、”月岡芳年といえば無惨絵”というイメージを持っている人も少なくないと思いますが、芳年が無惨絵を描いていたのは一時のことなんだそうです。
芳年の晩年の画号「大蘇芳年(たいそ よしとし)」を用いるころには、新聞挿絵や西南戦争に取材した作品、歴史画、風俗画などを描き人気浮世絵師となります。
晩年の10年間に描いた錦絵に関しては、芳年の代表作として取り上げられる作品が多く揃っています。32点の揃物「風俗三十二相(ふうぞくさんじゅうにそう)」は50歳の時に発表され、最後の代表作と言われる100点の揃物「月百姿(つきのひゃくし)」に至っては死の直前に完成し、死後、目録と序文を添えた画帖が発売されました。
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江戸時代後期〜明治時代にかけて活躍した浮世絵師・月岡芳年(つきおかよしとし)。歌川国芳に師事していた絵師で、同時期に活躍した絵師には河鍋暁斎がいます。河鍋暁斎も小さい頃から国芳に師事していますので、芳…
まさかこれらの晩年の作品と無惨絵作品が同一人物が描いているとは、言われなければわかりません。展覧会「芳年ー激動の時代を生きた鬼才浮世絵師」では、芳年のコレクションとしては質量ともに世界屈指といえる、西井正氣氏の収蔵品の中から選りすぐりの263点をもって、芳年の画業の全貌を紹介するもの。
芳年の画業を回顧する展覧会はあまり多くはないので、本展はとても貴重な機会になりそうです。ワークショップやギャラリートークも行われるそうなので、興味のある方は合わせてチェックしてみてください。
芳年ー激動の時代を生きた鬼才浮世絵師
- 会期:2018年8月5日(日)~9月24日(月・休)
- 場所:練馬区立美術館
- 休館日:月曜日 *ただし、9月17日(月・祝)は開館、18日(火)は休館。
- 開館時間 午前10時~午後6時 *入館は午後5時30分まで