夏の名脇役・山葵(わさび)!徳川家康が門外不出にした理由!?

ぽん

暑い夏に食べたくなるのが、素麺、蕎麦、刺身といった冷たい食べ物ですね。そして、これらに共通している物と言えば「山葵(わさび)」です。

 

山葵は、日本特産の植物です。主な産地は静岡県、長野県、島根県で、ほぼ一年中収穫できます。大きく分けて二つに分類でき、一つは「沢わさび」。こちらは、皆さんご存知の通り綺麗な水や渓流を利用して栽培します。そして、もう一つは「畑わさび」。こちらは馴染みが薄いかもしれませんが、湿気の多い畑やビニールハウスなどで栽培できる品種です。

山葵の歴史は古く野生に生えていた物を、薬草として使用していました。食用として使われ始めたのは鎌倉時代で、精進料理に使われていましたが、その後、江戸時代になり本格的に栽培が始まったのです。

現在の静岡市有東木が発祥の地で、慶長年間(1516年頃~)村人が、渓谷一面に自生しているわさびを採って、試しに植えたのが始まりです。そして、これを当時駿府城に住んでいた初代将軍・徳川家康に献上したところ、味の良さと、山葵の葉の形が徳川家の家紋に似ていることから大変気に入り、栽培方法を門外不出にしたとまで言われています。しかし、江戸時代中期頃。椎茸栽培にその地を訪れた板垣勘四郎が山葵を知り村人を説得し続け、椎茸のお礼にとようやくの思いで内密に栽培方法を伝授してもらい、山葵の苗を持ち帰ったことで、全国に広まりました。

最近では、既に摩り下ろされた状態で、チューブ入りの物などが出回り、自分で摩り下ろしたりすることも無くなりました。しかし、それに含まれる山葵の殆どは西洋山葵で、同じアブラナ科に属する植物ですが、味が似ているだけの全くの別物です。

家康が門外不出にした山葵。今年の夏は本物を食べてみては、いかがですか?

 

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