江戸っ子も人付き合いには悩んでいた?
江戸では火事が多いこともあり、引っ越しはしょっちゅう。そのたびに、新しい環境になるので、ご近所さんとのお付き合いも上手くやりたいものです。近所なだけに苦手な人だからといって話さないわけにはいかないし、どんなに仲良くなっても「親しき中にも礼儀あり」で、ずかずかと相手のプライベートに踏み入ってもいけません。気持ちよく人づきあいができるように気遣うマナーは、江戸の暮らしの中でも必須事項でした。
現代人の私たちも、職場や学校の人間関係で悩んでいるという方が多いのではないでしょうか?春は出会いの季節、「はじめまして」の機会も増えます。新たな円滑なコミュニケーションをするためには良い人間関係を築くことが大事。何事も特にはじめが肝心です。
初対面の人と会話するときにしてはいけないこと
当時、初対面の方とのお付き合いには「三脱の教え」が重要とされていました。これは、初めて顔を合わせる人に「年齢」「仕事」「身分」を聞いてはいけないというものです。
また外出する人に「どちらへ?」と行き先を聞くのも野暮でした。行先を聞かれたくない人にとっては、余計なお世話ですものね。ならば、何と言ったら気持ちよく声を交わすことができるのでしょう。正解は「お出かけ?お気をつけていってらっしゃいませ」。これだとプライバシーに踏み入ることなく、お互い気持ちよく過ごせそうですよね。