現代は、着物は買うものになっていますが、江戸時代の頃は自分で仕立てる人も多かったようです。着物の仕立てをするのは、庶民だけではありません。身分の高い女性も、裁縫をたしなんでいたので、着物を仕立てていました。
着物の仕立て方法は、洋服との仕立て方法とは大きく異なります。洋服は人の身体にあわせて曲線裁ちをするので、無駄な裁ち落としができてしまうのです。それに対して、着物の場合は直線裁ちなので、ほぼ100%反物を活用できるというわけ。
着物の仕立て職人も大活躍!
着物を仕立てるといっても、自分でやるのは簡単なものだけで高級品はプロにお任せという人も多かったとか。仕立てが本職の人というと、女性をイメージしがちですが、実は男性の仕立職人も多数。「男仕立て」という言葉もあったほどです。呉服店では反物を売っているので、その場で仕立てを注文する客に対応するために、大勢の仕立職を抱えていました。全国の産地から反物を仕入れて品揃えの充実を図ったりと、呉服屋として生き抜くためにいろんな工夫をしていたようです。ちなみに江戸で呉服店といえば、駿河町の三井越後屋、大伝馬町の大丸屋、通町の白木屋、本町の伊豆蔵・大黒屋などが有名でした。