なんでもとことん再利用!江戸時代は超ニッチなリサイクル業者がたくさん

阿部裕子

再利用できるものはとことん使う

リサイクル精神がしっかりと根付いていた江戸時代。ちょっと古くなったから、飽きたから、壊れたからといってゴミにして捨てるということは、まずありません。再利用できるものはとことん再利用するため、リサイクル業者もたくさんいました。

修理や修繕をするのは、提灯の張り替え屋、割れた陶器を修繕する瀬戸物焼接、下駄のすり減った歯を差し替える下駄歯入れ、桶や樽の修繕をするたが屋など。不用品を回収する業者には、古傘買い灰買い紙くず買いなどさまざまな業者がおり、ありとあらゆるものが再利用されていました。

そして再生品や中古品を売る業者には、古着を表・裏・中綿と三分割して売る三つ物売り、紙くずを漉き返して作る再生紙を売る還魂紙売り、竹でできた四脚の天秤棒を担いで古着や古きれを売りにくる竹馬きれ売りなど。


江戸後期のベストセラー作家だった滝沢馬琴も、リサイクル上手で、DIYを実践。ふだんの着物は古着屋で購入するのはもちろんのこと、庭で野菜や薬草を育て現金収入にしていました。さらに糞尿を引き取りにくる農家と交渉し、15歳以上の者1人につき、年に大根50本、なす50個と交換していたとか。

3ページ目 ふきんや雑巾が贈り物として喜ばれたってほんと?

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