着眼点がステキ!明治末〜大正時代の恋愛ゴシップ事件を読み解く展覧会「命短し恋せよ乙女」

増田 吉孝

もうなんだか目の付け所に脱帽の展覧会が開催されています。恋愛ゴシップ好きの方に紹介せずにはいられない。

2016年にクラウドファンディングで支援を募り開催された、文学者 谷崎潤一郎が作品の中で描いた登場人物のモデルになった女性たちの着物スタイルを再現して展示する企画展「谷崎潤一郎文学の着物を見る」が行われた東京・弥生美術館で、またしても興味津々な展覧会街開催されています。

2017年7月1日(土)~9月24日(日)の期間で開催されているのは、明治末期〜大正時代にかけて世の中を賑わせた恋愛ゴシップにフォーカスした展覧会『「命短し恋せよ乙女」 ~マツオヒロミ×大正恋愛事件簿~』です。

本展では、カリスマ女優・松井須磨子の後追い自殺、世界的な物理学者・石原純を誘惑・失墜させたと非難された原阿佐緒など、衝撃的な恋愛ゴシップで世間の注目を浴びた恋の経緯を写真新聞記事などから紹介。小説や挿絵からも事件を読み解くという実にユニークな展覧会となっています。

恋愛ゴシップは現在でも世間の注目を浴びるものでありますが、その恋愛の結末は幸せなものから不幸な結果をもたらすものまで様々。それは今も昔も変わりません。ましてや昔は今ほど自由恋愛に対して寛容ではなかったでしょうから、世間から浴びる視線は当事者にとっては厳しいものだったでしょう。

本展では5つの恋愛ゴシップにスポットを当てており、前述した、カリスマ女優・松井須磨子や原阿佐緒のほか、竹久夢二と山田順子の恋愛も取り上げれらています。

さらに本店の中ではイラストレーターのマツオヒロミさんの新作3点と発表済みの11点が展示されます。新作の中には竹久夢二と恋に落ちた山田順子や、大正時代に活躍した作家の田村俊子 をイメージした作品が含まれます。

明治末期〜大正時代に起きた、痛みをも伴う恋愛事件や当時の恋愛事情に興味のある人はもちろんのこと、マツオヒロミさんのファンの方も是非チェックしておきたい展覧会ですね。

「命短し恋せよ乙女」 ~マツオヒロミ×大正恋愛事件簿~

弥生美術館

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