師走に入り、年末もだいぶ押し迫ってきました。大晦日といえば除夜の鐘。
深夜0時、ちょうど日付が変わり新しい年が訪れるのを、鐘を突きながらお迎えする行事です。人が持つと言われている百八の煩悩を祓うため、鐘を108回つきます。煩悩についてしんみり考えながら、ゆく年を送りくる年を迎える。古より続くとても素晴らしい行事だと思います。
※煩悩…心を惑わせたり悩ませたり苦しめたりといった人間の欲のこと。
この大晦日の風物詩も時代によって変わります。東京都目黒区碑文谷にある名刹・圓融寺では、4年前から「除夜の鐘のつどい」と併せてプロジェクション・マッピング奉納を行っています。プロデュースは六本木ヒルズや富士急ハイランドなどのイベントも手掛けた町田聡氏。円融寺幼稚園の園児や子どもたちから募集した絵も特別投影されます。
プロジェクション・マッピングが投影されるのは、国の重要文化財でもある圓融寺の釈迦堂です。この釈迦堂、創建から700年という都内最古の建造物でもあります。700年もこの地に建っているという釈迦堂が、最新の音と光の技術で幻想的に浮かび上がる様はとても見事です。
圓融寺ホームページにはこれまでに開催されたプロジェクト・マッピングの動画もありますので、どうぞご覧ください。
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こちらは東京都指定文化財の黒仁王尊。永禄2年(1559年)に作られました。
円融寺は、今から約1150年前、平安時代初期に自覚上人円仁によって創建されたと言われています。江戸時代の天明年間から寛政年間末には円融寺の黒仁王尊信仰が爆発的な大ブームになり、門前には茶店が並び、東海道の品川宿からは円融寺参拝のための碑文谷道が作られたほどでした。
碑文谷道は今の南品川から品川区平塚を通り、中原街道を渡って武蔵小山に続いていましたが、そこには目黒不動尊と円融寺に分岐する分かれ道があり、『右 不動尊 左 仁王堂』と書かれた道標がありました。
参拝客があまりに多くて道までできるなんて、本当に凄い人気だったのですね。日本一のアーケード商店街として有名な武蔵小山も、円融寺に参拝する参拝客が通ったことで出来た町だと言われています。
天台宗 経王山 文殊院 圓融寺(円融寺)
〒152-0003 東京都目黒区碑文谷1-22-22
TEL.03-3712-2098