江戸時代後期の浮世絵師 歌川広景(うたがわ・ひろかげ)。歌川広景の素性はほとんど謎に包まれており、今でも不明なことが多い絵師。わかっているのは歌川広重の弟子であったということくらい。
そんな、謎の多い歌川広景を照らす展覧会「お笑い江戸名所 ~歌川広景の全貌」が原宿・太田記念美術館で開催されます。本展では広景の代表作である全50点の「江戸名所道戯尽(えどめいしょどうけづくし)」が一挙に公開される貴重な機会。
江戸名所道戯尽は江戸の名所が舞台になっており、その名所の中では人々が滑稽な姿で転んだり騒いだり。まさにドタバタもんの浮世絵といった感じでとってもユニークな作品。
江戸名所道戯尽のほか「青物魚軍勢大合戦之図」「東都冨士三十六景」といった作品も併せて紹介。正体不明の広景ですが、作品の中には明らかにパクリ…いや、オマージュ作品もあるそうなんです。それは歌川広重、葛飾北斎といった大御所の作品を参考にしたと思われるもの。
…やってるな(笑
確かに。構図と背景のグラデーションが似ていますね。
こういったあまり知られていない江戸時代の浮世絵師の作品展はなかなか無いので貴重な機会ですね。しかもその絵師の続き物の作品が一挙に展示されるというのは素晴らしい。
展覧会「お笑い江戸名所 ~歌川広景の全貌」は2017年1月5日(木)~29日(日)の期間、太田記念美術館で開催。2017年のアート鑑賞は笑いたっぷりの作品で幕開けしてみませんか?
画像出典:太田記念美術館