いやぁ、素敵です!心揺さぶられる素晴らしい作品たちに出会いました!
小原古邨(おはらこそん)という人物を知っていますか?小原古邨は明治〜昭和時代にかけて活躍した浮世絵師・版画家で、多くの花鳥画・動物画を残しました。
時期的には「新版画」と呼ばれる分野が確立していった頃。新版画の時期といえば今もなお人気の高い川瀬巴水や、光線画のような光と影を効果的に使った高橋松亭なども活躍していた頃です。この時期は絵師らが版画の復興を目指していました。
これは珍しい浮世絵!プレゼント持ったサンタが日本庭園を歩く、川瀬巴水「雪庭のサンタクロース」
今回紹介する作品はとっても珍しい、浮世絵の作品にサンタクロースが登場するというもの。浮世絵ならではの擦りの技法で仕上げられた作品にサンタクロースが描かれるというのは、どこか不思議な感覚を覚えます。…
小原古邨は国内よりも圧倒的に海外での人気が高く、その作品の多くを海外のコレクターや美術館が所蔵しています。2001年にオランダのアムステルダム国立美術館で、日本人作家初となる大規模な回顧展が開催されたほど。その評価のほどが伺えます。TIMES誌に作品が掲載されたこともあったそうですよ。
残された作品の多くが海外にある現実もあってか、これまで国内では小原古邨の大きな展覧会は開催されたことがないといいます。
小原古邨の作品は写生にもとづき描かれた写実的なものが多く、全体的に色合いは落ち着いたトーン。中には動物の表情や動きの可愛さを強調した作品もあり、こういった作品もとても素敵。
作品のサイズは縦に長いものが多く、一見すると肉筆に見えるので掛け軸を眺めているかのような錯覚が生まれます。そこは彫師、摺師の技術の高さも影響しているのでしょうね。
国内では小原古邨の作品を見られる機会は少ないようですが、いつの日か海外に所蔵されている多くの作品が一挙里帰りし、作品展が開催されることを期待したいですね。
画像出典: 浮世絵検索