京都へ来たなら、是非観ていただきたいテレビ番組があります。といっても、羽田美智子がやってる『京都専科』とか『京のいっぴん物語』ではありません。あれは、あちこちで流れてますからね。BSの『京都1200年の旅』とかでもありません。これも、どこでも見れます。もちろん「町家」だの「京スイーツ」だの言ってる観光番組は、論外です。
観ていただきたいのは、『大林幸二ときょうの夜』。放送局は、京都の地元局・KBS京都。放送時間は、日曜深夜0:30~0:45。何故これを観てほしいかといえば、恐らく他の地方では観れないからです。何故観れないかといえば、恐らくどこの局もネットしないからです。何故ネットしないかといえば、正直、あまり面白くないからです。BSでも、流れることはまずないでしょう。文字通り「京都に来ないと観れない」番組なのです。
そもそも大林幸二って誰なんだという話ですが、多分、誰もわかりません。演歌歌手らしいですが、細かいことはわかりません。番組に関する情報もまた、あまり見当たりません。一応、KBS京都の自社製作番組のようですが、同局の公式サイトにはこの番組に関するページが存在しません。何かもう、よくわかりません。
番組の内容は、スポンサーの大半を占める京都の地元飲食店にて、ルーズなロケが半分。残りの半分は、名前も顔も知らない演歌歌手たちの熱唱。
ちなみに7月22日の放送は、こんな感じでした。前半は平安時代の禁苑・神泉苑にて、祇園祭のルーツを残す還幸祭についての話、そして陰陽道に基づいて毎年向きを変える歳徳神についての話。後半では、GLAYが演歌化したような人が宮崎県南部のローカル線を歌う「吉都線」と、親父の背中が超えられないとかいう人のスナックでの熱唱が、ワンコーラスずつ。何かもう、よくわかりません。
しかしこれこそが、千年以上続く歴史とごく普通の生活が同居してる京都という街なのです。それを工夫もなく、いや天然で、もとい率直に表現してるのが『幸二ときょうの夜』という番組なのです。日曜の深夜に京都にいるなら、是非。ただし、観た後で京都が嫌いになっても、知りません。
KBS京都 – 公式サイト
大林幸二 – 公式サイト