究極の素朴な可愛さ!清原ひとしが描いた戦前の絵本の郷愁に癒される…

Japaaan編集部

昭和初期の日本画家、清原斉(きよはら ひとし)氏は明治29年(1896)茨城県に生まれました。松本楓湖、堅山南風に日本画を学びながら、文章や詩を北原白秋、鈴木三重吉に師事しました。日本美術院の公募展である院展で度々入選し、昭和31年(1956)には同人に選ばれています。

本格的な日本画の制作の一方で、子ども向けの童話の挿画や漫画も数多く残されているのですが、これが素朴な可愛さにあふれています。

戦前の子どもたちの遊びや暮らしの様子が優しい色使いで描かれた絵本は、いま見ても新鮮な可愛らしさでいっぱい。女の子はみんなワカメちゃんカット、男の子の襟足もジョリジョリ青く刈られています。着ているものは着物の子がいたり、洋服にエプロンの子がいたり。片隅には日本の伝統的な玩具が描かれています。

清原氏は絵だけではなく文章も手がけていました。子どもたちが楽しめて、低俗にならず、お母さま方が安心して子どもに読ませられるように、と言葉にも絵の表現にも配慮されています。お話の内容はちょっと教訓的な感じで、まさに「よいこ」のための絵本。といった印象なのですが、挿絵がとにかくカワイイ。お山の動物たちの可愛さがハンパありません。

日本語表現もゆったりとしたリズムで優しい言い回しが多くて素敵。こんな絵本を読んでたら、やさしいよい子が育ちそう。

清原氏は漫画も制作。「ふしぎな珠」は、子どものお坊さんがふしぎな珠の力を手助けに、妖怪やお化けや無理難題を解決していくお話。主人公の一竹さんの活躍は、今読んでもとっても面白い!

清原ひとし氏の絵本は国際子ども図書館2階資料室と国立国会デジタルコレクションで閲覧可能。さらに公開されている作品はすべてPDFファイルとして印刷、JPG画像でダウンロードが可能(PCからのみ)です。

PDFファイルとして印刷する場合は、各作品ページの上部にあるオレンジのボタン「印刷する」から、JPG画像でダウンロードをする場合は各作品ページの上部にあるボタン「JPEG表示」から行ってください。

昭和の子どもたちだけでなく、現代の子どもたちにもぜひ読んでもらいたい絵本たちです。

検索「清原ひとし」:国立国会図書館デジタルコレクション

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