楊枝を初めて使ったのはおよそ10万年前ネアンデルタール人だったということを知っていましたか?歯の化石に縦の筋が残っていて、これは堅い楊枝で歯をこすった跡だと推測されているのだそうです。
紀元前500年頃には、お釈迦さまが弟子達に歯木という木の枝でできた道具で歯を清潔 にすることを教え、その後中5世紀頃奈良時代に仏具と共に日本に伝承され、今の楊枝になったといわれています。
つまり楊枝とは今日でいう歯ブラシから発展したわけなんですね。
そんな由緒正しい道具(?)である楊枝。そんな楊枝を江戸時代から300年以上扱う、国内唯一の楊枝専門店「さるや」で面白い商品を見つけました。
この「さむらい楊枝」には黒文字製の楊枝に、「さむらいの一言」が書かれた小さな紙を一本一本巻きつけたもの。なんと英訳まで付いていて、例えば「いざ参ろう」はLet’s go、「たのもう」はHello,May I come in?、と、思わずくすっと笑ってしまいそう。海外へのお土産などにも喜ばれそうです。
なお、黒文字とは、クスノキ科の落葉低木のことで、樹皮は帯緑黒色で一面に黒い斑点があることからクロモジと呼ばれるようになったと言われています。 しなやかで歯あたりがよく、弾力性に富んで折れにくいうえによい香りがするので、茶道の和菓子などに今でも使われる高級素材。
一般に普及している爪楊枝は白樺を材料とする大量生産品が多いので、小さくても本格派のさむらい楊枝はまさに”さむらいの心意気”のような逸品といえるかもしれません。
さむらい楊枝のデザインは「浪人(緑)」「剣豪(赤)」「忠勤(橙)」の三種類。身近すぎて改めて考えることもない楊枝ですが、かわいらしいさむらいと共に長い歴史と共に本格的な使い心地を改めて試してみるのも悪くないかもしれません。