おばあちゃん子だったので、子供の頃から神社は身近な存在でした。神社の前を通るときは、神様にご挨拶するものだとよく言われたものです。
そのせいで今でも神社を見かけるとよくお参りするのですが、悩むのがお賽銭。五円玉がいいというのはなんとなくわかっていても、人によっては45円の方がいいとか、いやいや高いほどいいのだからお札が一番だという人もいて、実際のところはどうなのか考えたらよくわからなくありませんか?
気になったので早速調べてみました。
お賽銭の起源
現代では「お賽銭」といえばお金のことを指しますが、もともとはお米を白い紙でつつんだ「おひねり」が多かったのだそうです。
日本は昔は農耕社会だったので、秋になると稲作の収穫に感謝し神様にその年にとれた新米を奉納していました。このような風習にもとづきお米をおひねりとして普段の参拝からお供えするようになりました。その後、貨幣経済が浸透すると、お米や野菜など「物」をお供えする風習が徐々にお金に変化していったのです。
つまり、お賽銭とは願いを叶えてもらうための代金ではなく、神様に感謝の気持ちを捧げるためにお供えするもの、という意味なんですね。高ければいいというわけではないようです。(でもお金の初ものって・・・新札でいいのかな??)
なぜ五円玉なのでしょうか?
もともと日本では、「穴あき銭は穴があいているから見通しが良い」と言われていました。加えて「五円(ごえん)=御縁」ということで、神様とよい御縁を結べるように祈ったようです。
日本文化にはこのような「語呂合わせ」はとても多いのですが、調べてみるとお賽銭だけでもものすごい数がありました。
1枚(5円):「五円」と「ご縁」をかけて「ご縁がありますように」という意味になります。
2枚(10円):2枚の五円玉を重ねることで「重ね重ねご縁がありますように」という意味になります。逆に「ご縁が遠のく」という考え方も。
3枚(15円):15円(じゅうごえん)と「十分ご縁」をかけて「十分ご縁がありますように」という意味になります。
4枚(20円):4枚の五円玉で「よいご縁がありますように」という意味になります。
5枚(25円):25円(にじゅうごえん)なので「二重にご縁がありますように」という意味になります。
6枚(30円):「6」という数字が使われる「六角形」には安定と調和をもたらすと言われていることから、「安定と調和のとれたご縁がありますように」という意味になります。
7枚(35円):「3」と「5」で「再三ご縁がありますように」という意味になります。逆に「散々なご縁にあってしまう・・・」という困った意味あいの場合も。
8枚(40円):「末広にご縁がありますように」という意味になります。末広がりの「八」ですね。
9枚(45円):「4」と「5」を合わせて「終始ご縁がありますように」という意味になります。
10枚(50円):「五重の縁がありますように」や「10倍のご縁がありますように」という意味になります。同じ穴あき銭であることから、五十円玉一枚を差す場合も多いようです。
11枚(55円):お賽銭を「午後(ごご)」に投げることでご縁がある、という意味になるそうですが、午後限定なのでしょうか。
13枚(65円):「ろくなご縁にあわない」という意味になります。これは嫌ですね。
15枚(75円):「泣くようなご縁にあってしまう」という、これも避けたい語呂合わせ。
17枚(85円):「8」と「5」で、「矢継ぎ早にご縁をうけられる」という意味に。急いでいる人用でしょうか。
19枚(95円):「苦しいご縁にあう」という意味で、これも嫌ですね・・・。
21枚(105円):「百(盛)り沢山のご縁がある」や「十分にご縁がありますように」という意味になります。逆に「当分ご縁がない」という語呂合わせもあります。
23枚(115円):「115(いいご)」で「いいご縁がありますように」という意味になります。
25枚(125円):「十二分にご縁がありますように」。
83枚(415円):五円玉4枚と同じ「415円(よいごえん)」という意味になります。
97枚(485円):「四方八方からご縁がありますように」という意味になります。
後半になると、「これを全部五円玉で用意するの?!」という数でちょっと現実味がありませんが、ここぞというときにやってみると、神様も努力を認めてちょっと贔屓してくださる・・・かもしれません。
(引用・出典)