物語を書くよう命じられ、藤壺(ふじつぼ。中宮在所)で女房勤めを始めた藤式部(とうしきぶ)こと、まひろ(紫式部。吉高由里子)。
しかし藤壺では女房たちが忙しなく働き回り、とても集中できたものではありません。
(周囲がうるさいと仕事がはかどらない気持ち、とてもよく解ります!)
藤原道長(柄本佑)の必死な引き止めも振り切って里に下ってしまい、まひろの女房勤めはたった8日で幕を下ろしたかのように見えましたが……。
一方朝廷では文政統治に限界を来たしており、全国各地で豪族たちが武力づくで所領を支配し始めます。
挙げ句の果てには寺社勢力まで武力を誇示し、興福寺の僧侶らが大挙して京都へ押し寄せて来たのでした。
NHK大河ドラマ「光る君へ」第33回放送は「式部誕生」。まひろに藤式部という女房名が与えられ、新たなステージに踏み出します。
それでは今週も、気になるトピックを振り返っていきましょう!
中宮大饗(ちゅうぐうだいきょう)とは何?
劇中で中宮大夫の藤原斉信(金田哲)が女房たちに指示していた「ちゅうぐうだいきょう」とは何でしょうか。
漢字では中宮大饗(だいきょう/おおみあえ)と書き、毎年1月2日に親王や公卿らが中宮(皇后)と春宮(東宮、皇太子)に拝謁し、もてなし(饗宴)を受ける儀式です。
中宮と春宮の二宮に拝謁するため、二宮大饗(にぐう~)とも呼ばれました。劇中では特に中宮の女房たちに対して言っているため「中宮大饗」と言っています。
実際に中宮大饗を開催できるのは中宮の後ろ盾(政治的・経済的)がしっかりしている場合に限られました。
今回の場合は中宮・藤原彰子(三上愛)の父親である道長の権勢を周囲に見せつける意図があったことは言うまでもありません。
頼りにならぬ女房たち?
作中で藤原公任(町田啓太)らが彰子の女房らに不満を洩らしていましたが、これは彼女たちの人選に原因があったようです。
道長は今は亡き皇后・藤原定子(高畑充希)らの女房たちと差別化を図ろうとしました。
定子の女房らが知的&洗練をキーワードとするなら、彰子の女房らは上品&優雅。両家のお嬢様がたを選りすぐったようです。
彼女たちはよく言えば奥ゆかしく、悪く言えば引っ込み思案。上達部(かんだちめ。上級貴族)らが訪ねてきても気の利いた対応ができず、それが「頼りにならぬ」という評価につながってしまったようです。
後に職場復帰?した紫式部も、彼女たちのおっとりぶりについ苛立ってしまうのでした。