あの柳田國男もディスるほど!?誇張のクセが強すぎた江戸時代の不思議な旅行記『遠山奇談』が興味深い

雲川ゆず

みなさんは、旅行が好きですか?コロナ禍も落ち着きを見せた今、ようやく待ちに待った旅行に行ける!とわくわくしている方も多いのではないでしょうか。

今では、パソコンやスマホで旅行先の情報を仕入れたり、観光地を調べたりすることができますが、すでにそこに旅行した誰かが書いた本やブログも参考になりますよね。

そこで、今回は旅行記に注目してみたいと思います。江戸時代後期に書かれた不思議な旅行記『遠山奇談(とおやまきだん)』とは、いったいどのようなもので、どんな内容なのでしょうか?

『遠山奇談(とおやまきだん』とは?

『遠山奇談』は、江戸時代後期の1798年(寛政10年)に京都で発刊された旅行記です。江戸時代は、海や陸の交通網が整備され、それ以前と比べるとだいぶ旅行がしやすくなった時期であり、旅行記や旅についての記載がある日記なども数多く残っています。

『遠山奇談』は、浜松のお寺の住職さんたちご一行の旅行記・探検記・冒険譚です。著者は華誘居士(かゆうこじ)という人で、初編4巻、後編4巻からなります。「遠山(遠山谷)」とは、長野県南部、静岡県との国境に接する地域のことを指します。

浜松の住職らが山深い遠山にやってきた理由も意外なものでした。それは、1788年(天明8年)の大火で消失した東本願寺の再建が理由でした。再建のためにはさまざまな建築用材が必要で、それを探しに遠山にやってきたのです。

3ページ目 『遠山奇談』の中身は不思議がいっぱい

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