「沖縄県営鉄道」を知っていますか?史上最悪の鉄道事故は旧日本軍のミスで起きていた【前編】

かつて沖縄にも「鉄道」があった

基本的に「沖縄に鉄道はない」というイメージが強い人が多いと思いますが、実は戦前は「県営」の鉄道が存在していました。明治時代以降、産業の活性化のために敷設された沖縄県営鉄道があったのです。

では、それがなぜ現在は影も形もないのかというと、戦時中に米軍から破壊されたためです。

その前から、沖縄県営鉄道には戦争の暗い影が忍び寄っていました。それまでは産業振興と人々の移動のために使われていた鉄道が、次第に軍事物資や兵隊の運搬のみで使われるようになっていたのです。

しかもそのさなかには、鉄道が大爆発を起こす事故まで発生しており、その原因もまた旧日本軍のミスでした。この事故によって多くの軍事物資と兵隊が失われ、沖縄戦にも大きく影響したといわれています。

今回はこの沖縄県営鉄道の爆発事故について、前・後編に分けて見ていきましょう。日本の鉄道事故史上最悪の死者数でありながら、軍によって徹底的に隠蔽された「忘れられた鉄道事故」です。

3ページ目 惨劇の発生

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