東京・六本木のサントリー美術館で、幕末明治期に個性的な作品を描いた絵師や変革を遂げた画派の作品にフォーカスした展覧会「激動の時代 幕末明治の絵師たち」が開催されます。
幕末明治期の絵画は、江戸と明治(近世と近代)という時代のはざまに埋もれ、かつては等閑視されることもあった分野。しかし、近年の美術史では、江戸から明治へのつながりを重視するようになり、現在、幕末明治期は多士済々の絵師たちが腕を奮った時代として注目度が高まっています。
「激動の時代 幕末明治の絵師たち」展では、幕末明治期の江戸・東京を中心に活動した異色の絵師たちを紹介し、その作品の魅力に迫ります。天保の改革や黒船来航、流行り病、安政の大地震、倒幕運動といった混沌とした世相を物語るように、劇的で力強い描写、迫真的な表現、そして怪奇的な画風などが生まれました。
また、本格的に流入する西洋美術を受容した洋風画法や伝統に新たな創意を加えた作品も描かれています。このような幕末絵画の特徴は、明治時代初期頃まで見受けられました。
作品が展示される主な絵師
狩野一信、渡辺崋山、安田雷洲、春木南溟、歌川芳艶、歌川国芳、歌川芳員、五雲亭貞秀、河鍋暁斎、月岡芳年、小林清親、歌川芳虎、他……
本展は、今なお新鮮な驚きや力強さが感じられる幕末明治期の作品群を特集する貴重な機会となるでしょう。「激動の時代 幕末明治の絵師たち」展は、2023年10月11日(水)~12月3日(日)の期間、サントリー美術館で開催されます。