日本全国の神社では、さまざまな伝統行事・神事が行われてきました。今回の記事で取り上げるのは、大阪府・野里住吉神社で行われる「一夜官女祭(いちやかんにょ/かんじょさい)」というものです。
こちらは、とある理由からめずらしい神事と言われています。一体、どのような神事なのでしょうか?
昔は少女が生贄となっていた
「一夜官女祭」の舞台となる野里(のざと)村は、かつて「泣き村」と呼ばれていました。その理由は、昔から風水害(主に近くの中津川からの洪水)や疫病に見舞われ、村人たちが苦しんでいたから。
大変な思いをする村人たちは「村を救うためには乙女を神へ捧げよ」という神託を聞き、旧暦1月20日の丑三つ時に、白矢の打ち込まれた家の娘を唐櫃に入れて、人身御供(ひとみごくう)として捧げることにしました。
ちなみに、祭りの始まりは明確にはわかっていませんが、神社には元禄15年(1702年)と墨書された桶があり、約300年以上も祭りが続いていることがうかがえます。