古代の日本人も「爪」を彩った
マニキュアと言えば、私などは「近代以降にヨーロッパから輸入されてきたもので、主に女性が爪に塗るもの」というイメージがありますが、皆さんはいかがでしょうか?
後半の「主に女性が塗るもの」というのはさすがに古く、今は男性がマニキュアを使っていてもおかしくない時代ですが、実は前半の「近代以降にヨーロッパから輸入された」というイメージも全く違っていたことを最近になって知りました。
実は、日本人も昔から爪を装飾するオシャレを楽しんでいたのです。それも古代から……!
もともと日本では縄文時代から、身体を装飾する習慣が存在していたと考えられています。その筆頭はもちろん「顔」のメイクで、特に赤色で彩っていたと思われます。
ただ、それくらい昔だと、こうしたメイク全般は魔除けやおまじないなど、呪術的な意味合いの方が大きかったでしょう。
人間の身体、特に顔から始まり、爪に至るまでの「化粧」が行われるようになるのは、飛鳥時代や奈良時代のことです。紅殻と呼ばれる赤い塗料を、額の中央や唇、そして爪の先に塗るというメイクが行われるようになったのです。
これが、現代のマニキュアやネイルの大元になったと考えられています。つまり、爪に施される化粧の歴史は顔のメイクの歴史と同じくらい古いのです。