武田信玄の武力を支えたのは郷土料理「ほうとう」だった!現代にも通じるその栄養価を検証【前編】

武田軍の陣中食「ほうとう」

戦国時代の甲斐国(現在の山梨県)の武将と言えば武田信玄。戦国時代最強とまで言われた彼の強さを支えていた食べ物のひとつに、「ほうとう」があります。

ほうとうは山梨名物の郷土料理で、平らに伸ばしたうどんに似た麺を、味噌仕立ての汁で野菜などの具材と一緒に煮込むというものです。かつて、毛利元就が「餅」を自軍の戦場メシとして採用していたのと同様に、信玄はこのほうとうを陣中食としていました。

武田信玄といえば「風林火山」をモットーとした戦を理想としていましたが、そんな彼の戦闘スタイルを支えた食事が、ほうとうだったと言ってもいいでしょう。

もともと、当時の陣中食と言えば「米」が一般的でした。しかし甲斐国は標高が高い山が多く、水田を作るのが難しい地形でした。そのため他国と比べて米の生産力が低いのが難点でした。

そこで、武田信玄は厄介者である山を切り拓き、麦や大豆などの穀物が生産できるように工夫します。

こうして、米ではなく生の麺や味噌が作られるようになり、武田軍の強さのもとになっていったのです。

3ページ目 米よりも最適!?

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