戦国時代末期、傾城の美女と呼ばれた「阿波の小少将」という女性をご存じでしょうか?
彼女は、生まれ持った美貌で敵将をも簡単に手玉に取り、意のままに操って戦国の世を生き抜いています。まさに、城を傾けさせる女性「傾城の美女」の呼称にピッタリな女性でした。
悪女・小少将の誕生
阿波国(現在の徳島県阿波市)に存在した西条東城の城主・岡本牧西の娘として産まれたのが小少将。当時、阿波国を支配していた細川持隆の居城・勝瑞城に侍女として仕えました。
侍女として働くなかで細川持隆に見初められた小少将は側室となり、諸説ありますが14歳で長男・真之を産んでいます。
正室には跡継ぎとなる子どもがおらず、真之が跡継ぎ候補に。小少将は跡継ぎを産んだ側室として、次第に勝瑞城での権力を握っていきます。
夫の部下との不倫
自分よりもはるかに年上で、不在がちだった細川持隆に不満を募らせた小少将は、細川持隆の部下・三好実休を誘惑しました。細川持隆と三好実休は不仲であったとされ、一族の方針について意見が割れることもしばしば。
そんな、夫より30歳も若く、豪胆でたくましい性格の三好実休との不倫関係は小少将にとって不倫を盛り上げるスパイスだったのかもしれません。