羊羹と外郎の違い
名古屋名物の食べ物は? と聞かれて、多くの人が挙げるであろう「外郎(ういろう)」。その歴史をたどってみたいと思います。
外郎は羊羹(ようかん)に似ていますが、羊羹とは形や作り方が異なります。
羊羹は基本的に「棹物(細長く作り、切り分けて食べる和菓子の総称)」として売られますが、外郎は和菓子のように丸い形のものや三角のものなどもあり、特定の形にとらわれていません。
また、羊羹は寒天で固めて作りますが、外郎は米粉や砂糖を混ぜたもので、もちもちとした食感が特徴です。黒糖を使っている外郎が最も伝統的とされていますが、今では白砂糖・抹茶・こしあんなどを使ったものもあります。
最もポピュラーなものは米粉で作られますが、わらび餅粉や小麦粉など、使われる粉も地域によってさまざまです。
もちろん羊羹にも形から材料までさまざまなバリエーションが存在するので、羊羹と外郎の決定的な違いは分かりにくくなっているかも知れません。基本形からあまりに外れてしまうと、素人目には名前が違うだけではないか、という気もしますね。
ただ、例えば中華の技法を取り入れた洋食を中華料理と呼ばないのと同じように、やはり基本的な材料が違っているため、羊羹は羊羹、外郎は外郎、という線引きはあるようです。
さて、外郎=名古屋というイメージが強い方も多いと思いますが、実は外郎は名古屋発祥の食べ物ではありません。では発祥はどこで、なぜ外郎は名古屋、というイメージになったのでしょうか。
外郎の起源として有力視されているのが、中国です。