精進川のせせらぎが耳に心地良い札幌市豊平区平岸の住宅地の一角に「えっ?」と思う敷地があるのです。ブロック塀で囲まれています。観音様が並んでいるのが見えます。車ですと、祠を見落とせば、気がつかないかもしれません。
平岸中の島三十三番観音です。案内板にはこう書いてあります。
昭和10年、精進川の堤防上に平岸1条の道路
を新設した。その脇に33体の軟石造りの観音像
を置いた事から通称観音通と呼ばれた。戦後
進駐軍によるいたずらが頻発したので、昭和28
年に一ヵ所に集め安置された。
確かに、敷地内、三方に並んだ観音様は見るからにとても古いです。大きさ、形は少しずつ違っています。
そして、どかどかと足を進めるのには少し圧迫感を感じました。
が、隅の方で、ご婦人が背を向けて清掃をなさっている姿が視界に入りました。著者がご挨拶をしましたら、とても穏やかな笑顔で挨拶を返してくださいました。ほっとしました。そしてなんと! 祠を開けて下さいました。びっくりです。ありがとうございました。
ご婦人は清掃の他に、観音様の修復もなさっているそうです。確かに、修復した跡がたくさんあります。
著者はこの敷地内だけが全く別の時間を刻んでいるような、不思議な空気を感じていました。数日中に開花しそうな華奢な八重桜の木が数本あったのが印象的でした。これらが開花すると、また違った空気になるのでしょうね。
ちなみに、この平岸中の島三十三番観音は札幌の秘境の1つだそうです。
(参考: 秘境100選Ver 2)