この記事を執筆している段階で、世界には約百九十数か国が存在しています。これらの国の中で、どの国が一番最初に建国されたかあなたはご存じですか?
実は、現存している国の中で世界で最も古い国は「日本」なのです。日本が建国された時期に関しては諸説あるものの、おおよそ2000年前と考えられています。
もちろん、世界の歴史を遡れば日本より古い国はあるのですが、すでに滅びてしまっていまため、現存している中では日本が最古の国なのです。
今回は、日本人でも意外と知らない「現存する世界最古の国 日本」が、一体どのくらい古い歴史を持っているのか?その理由をわかりやすく紹介していきます。
古事記や日本書紀によると建国から約2700年
現存している日本最古の歴史書「古事記」や「日本書紀」によると、日本が建国されたのは約2600年前~2700年前とされています。
日本の初代の天皇である「神武天皇(じんむてんのう)」が、紀元前660年に現在の奈良県橿原宮で初代天皇に即位しました。この伝承をもって日本の建国と考えられています。
また、神武天皇の即位日が現在の暦で2月11日頃にあたるため、2月11日は「建国記念の日」として祝日になっているのです。
そして神武天皇の即位以降、日本は一度の王朝交代も無く、現在まで神武天皇の皇統が続いており国も滅びていません。ゆえに建国から一度も滅びることのなかった日本は、現存する中では世界最古の歴史を持っているのです。
しかし、古事記や日本書紀には神話伝承も多く含まれているため、神武天皇の即位をそのまま鵜呑みにできないといった考えもあり意見が分かれています。
短く見積もっても約1700年前~2000年前には建国されていた
考古学的な観点から日本の建国を見てみると、短く見積もっても1700年前~2000年前頃にはすでに建国されていたと考えられています。
日本固有の墳墓である前方後円墳。前方後円墳の中でも奈良県や大阪府にある大型のものは、古代天皇やその身内にあたる方々のお墓です。
古代の天皇を頂点とする王権を「ヤマト王権(ヤマト政権)」と言い、前方後円墳はヤマト王権の象徴でした。
前方後円墳は3世紀中頃に造られた奈良県の箸墓古墳を皮切りに、3世紀から4世紀頃に東北地方から九州にいたるまで、全国各地で造られるようになります。
前方後円墳と同型の墳墓が全国各地に広がっていった現象は、ヤマト王権が統治範囲を広げていった証拠と見られているため、少なくとも3~4世紀頃にはヤマト王権は成立していた、もしくはもう少し前から大和王権の母体となる王権があったとしても不思議はありません。
以上の理由から、日本は短く見積もっても1700年前~2000年前には建国されていたと考えられているのです。