島根県松江市の島根県立美術館が、特設サイト「島根県立美術館の浮世絵コレクション」を開設しました。
同館は、松江出身の実業家・新庄二郎氏(1901-1996)旧蔵の「新庄コレクション」、津和野出身の北斎研究者・永田生慈氏(1951-2018)旧蔵の「永田コレクション」という、2つの優れた個人コレクションを中心とした約3,000点もの浮世絵を所蔵しています。
開設された「島根県立美術館の浮世絵コレクション」では、同館が所蔵する浮世絵コレクションの代表作を、作品の概要説明とともに閲覧することができます。
博物館や美術館が所蔵する美術作品を無料でオンライン公開するという試みは、けっして珍しいことではありませんが、作品ごとの概要説明が添えられているのは、作品を楽しむ上でとても重要なポイント!
新庄コレクション
松江市出身の実業家・新庄二郎氏が集成したコレクションで、北斎、広重の風景版画を中心に、その総数は471件に上ります。摺りや保存状態が良好な作品が多く、例えば、北斎の代表作《冨嶽三十六景 凱風快晴》は大阪万博の折の「万国博美術展」(1970年)に浮世絵を代表して展示された名品です。
永田コレクション
北斎20歳のデビュー作から90歳で亡くなった朝の死亡通知まで、北斎の各年代における様々な分野、画題の作品を収めています。総数は2,398件を数え、保存状態が良い初摺の逸品や世界で1点しかない貴重な作品資料も少なくありません。北斎に特化した個人コレクションとしては世界屈指の規模。
島根県購入分
島根県立博物館(1959年開館、2007年閉館)が所蔵していた新庄コレクションを受け継いだ島根県立美術館(1999年開館)は、「日本の版画」を収集方針の一つに定めており、浮世絵の分野では、北斎と広重の風景版画の収集に努めています。
また、特設サイトでは「特集」を通じて、当館浮世絵コレクションの魅力を紹介していくそうで、最初の特集は、同館が所蔵する浮世絵の名品「100選」。約3,000件の浮世絵の中から厳選した100作品が紹介されています。
コレクションはパソコン、タブレット、スマートフォンからどなたでも無料で閲覧できますので、ぜひアクセスしてみてください。