東京国立博物館でいよいよ特別展「国宝 鳥獣戯画のすべて」開催。見どころポイントは?【後編】

小山 桜子

Japaaan読者の皆さんこんにちは、ライターの小山桜子です。東京国立博物館平成館において、特別展「国宝 鳥獣戯画のすべて」が2021年4月13日より開催中です。

そこで今回は、鳥獣戯画の見どころポイントをご紹介します!

鳥獣戯画には甲巻・乙巻・丙巻・丁巻の4巻があり、前編の記事ではもっとも有名な甲巻を紹介しましたので、今回はあとの乙巻・丙巻・丁巻をご紹介します。

前編の記事はこちら

東京国立博物館でいよいよ特別展「国宝 鳥獣戯画のすべて」開催。見どころポイントは?【前編】

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乙巻の見どころ

乙巻ではまるで動物の図鑑のようにたくさんの動物が描かれています。しかも甲巻のように人間のパロディーにするのではなく、より本来に近い姿で描かれているのが見どころ。馬の群れに始まり、のびのびと暮らす牛、勇ましい鷹、遊んだり喧嘩したりしている犬、尾の立派な鶏とひよこといった身の回りの動物などさまざまな動物の生態が生き生きと描かれています。

それだけでなく、神獣の一角獣、麒麟、息を巻く唐獅子、竜、当時日本にいなかった豹、山羊、舌を出す虎、白象、獏といった空想で描かれたと思われる動物も大きな見どころです。

丙巻の見どころ

丙巻前半は囲碁を打つ人からスタート。双六や将棋に打ち込む人々、耳や首の綱引きのような耳引き、首引きという当時流行の遊びも見ることができます。にらめっこで爆笑したり、闘鶏、闘犬に熱狂する人々など、身なりは決して裕福とは言えないながらも、笑顔にあふれる人々の様子は見どころの一つです。

後半は甲巻のように兎や蛙が擬人化されて描かれます。鹿に乗って駆け回り、何かの競技をしたり、その次には牛車を引いて鼓を打ち鳴らし、囃し立てる狐、猿、蛙たち。貴族のように蹴鞠を楽しむ蛙の姿を見ることもできます。実は後半の動物の戯画は前半の人間の戯画の裏に描かれていたもの。江戸時代に紙を2枚に薄くはがしてしまったそうです。表と裏のコントラストも丙巻の見どころです。

丁巻

丁巻は鎌倉時代に描かれたといわれるもの。見どころは筆のタッチの速さと勢いです。プロの絵師が落書きしたかのようなポップな筆致になっているのです。

曲芸のシーンからスタートし、ひょうきんな表情のお坊さんたちが続きます。甲巻のパロディーとして、阿弥陀如来にお経をあげるお坊さんもいます。

4巻併せて見るとパロディーを探すという楽しみ方もできるんですね。

 
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