中国の歴史書に記された「ハーレム日本」?
古墳時代よりも以前の日本の様子は、文字での記録は残っていません。かろうじて中国の歴史書を通して、当時の様子を垣間見ることができる程度です。
その中でも最も有名なのは、やはり『魏志倭人伝』でしょう。正確には『三国志』「魏志」の「東夷伝」の中の「倭人の条」ということになりますが、これには今から一八〇〇年ほど前にあたる後期弥生時代の、邪馬台国が盛んだったころのことが書いてあります。
さて、その中で興味深い記述があります。当時の日本人について「其人寿老、或百年、或八九十年」とあり、八十~百歳まで長生きしていたというのです。
また、さらに興味を引く内容として、「大人はみな四、五婦、下戸もあるいは二、三婦。婦人は淫せず、やきもちも焼かない」というのがあります。
どうやら邪馬台国の日本人は、身分の高いものは妻を四~五人、また下層階級の者でも二~三人の妻を持つ者が少なくないというのです。
今の時代から見れば、ハーレムですね。
これら本当だったとすれば、弥生時代の日本人の健康長寿ぶりには驚かされます。当時の日本人はそんなに生命力にあふれていたのでしょうか? 弥生時代の男性は揃いも揃って絶倫だったのでしょうか?
この秘密を解き明かす重要なヒントは、実は、先に書いた中国の歴史書に書いてありました。