地味で制限だらけの江戸のお正月!それでも自由で豊かだった「江戸っ子マインド」

小山 桜子

Japaaan読者の皆さま、あけましておめでとうございます!ライターのほおの紅です。2021年は去年より多くの面白い記事をお届けしたいと思います。さて、今回は「江戸のお正月」についてお話しします。

とんでもねえ制限だらけの江戸の正月

江戸時代のお正月は、現代の私たちと比べたらもんのすごく質素なものでした。何しろ紅白もない、高級おせちもない、スクランブル交差点もなければカウントダウンパーティーもない。

もちろん飛行機も電車もないですから、元旦に旅行なんて夢のまた夢。今コロナ禍を生きる私たちの自粛生活よりももっと不自由でつつましやかだったと言っても過言ではありません。鎖国で外国も行けないしね。こんな川柳があります。

三日食う雑煮で知れる飯の恩

正月から三日間お雑煮続きで飽きた。白飯が恋しい、という内容です。お店はどこも休みな上にコンビニも宅配もないので当時はガチで家で作ったお雑煮とか煮しめとかだけを食べて過ごしてたみたいです。白飯がご馳走に思えるって、もはや正月は苦行かっ!?

不自由の中の「自由」とは

そんなわけで、江戸っ子は相対的に見てコロナ禍の私たちよりも不自由で制限だらけだったものの、彼らの心はいつも豊かで、誰よりも自由でした。

たとえば福茶という黒豆、小梅、結び昆布などが入っためでたいお茶を入れて、茶柱が立つかどうかなんて事にも小さな楽しみを見つけていました。

 

他にもちょっとした面白い光景を川柳に詠んでは笑い、家族で双六で勝負しては笑い・・・・・・。それに飽きたら良い初夢を見るために枕に敷く七福神の絵を描いてみたり、それにも飽きたら浴びるほど酒を飲んでみたり。

地味で制限だらけの日々の中でも江戸っ子たちは心の羽を羽ばたかせて、想像力を遠くに飛ばして、思いっきり自由を謳歌してたんです。

3ページ目 ダラけてOK!お江戸流、ゆる正月のすすめ

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