「丼もの」は、老若男女皆が大好きな、日本的ファストフードの原点といわれています。現代では、牛丼・カツ丼・親子丼etc……いろいろな種類がありますが、実は丼ものは、歴史が古い日本料理なのです。
手早く作れて、一つの丼の中で料理が完成している「丼もの」は、がっつり食べたいときにはぴったり!
少し気温も下がって秋の気配が感じられる今日この頃。食欲の秋にぴったりな日本の庶民的なソウルフード「丼もの」について、意外と知られていないルーツや魅力をご紹介しましょう!
「丼もの」の歴史は古い!
老若男女に愛される、日本的ファストフード「丼もの」。丼の中に、温かいご飯・肉や魚などのおかず・食欲をそそるタレが渾然一体となり、思わずかきこんでしまいますよね。
そんな丼ものルーツとしては諸説あります。
室町時代〜戦国時代に流行した『芳飯』がルーツ
丼もののルーツは、「芳飯」ではないかという説があります。
芳飯は、もともとは僧家の食べ物で、器に盛った飯に細かく切った野菜や乾物などを味付けしたものを乗せて汁をかけた食べ物です。
中国の陰陽五行説に基づき、白・黄色・赤・緑・黒の五色の具を白いご飯にのせ、澄まし汁をかけたそうです。食べやすく、彩りも良かったことから上流階級にも愛されたとか。
一説によると、春日局も好物だったそうです。
江戸時代から種類が増えて行く
江戸時代の後期になって、現代も食べられているうな丼・天丼・深川丼などが誕生。
丼にご飯と具材がのっていてタレがかかっている丼ものは、せっかちな江戸っ子にも「手早く食べられてうまい!」と評判がよかったとか。
明治初期には、牛丼・開花丼(牛肉や豚肉を卵でとじたもの)・親子丼が誕生。
大正時代にはカレー丼も登場しました。
現代では和・洋・中・エスニック……丼ものの種類は多様に
現代では、和風のみならず洋・中・エスニックなどさまざまなバリエーションが広がった丼もの。
肉・海鮮・野菜など具材も豊富で、庶民的な値段のものから非常に高価なものまではば広く出揃っています。