年末カウントダウン!知っておきたい「煤払い(すすはらい)」の歴史

小林聖

後もういくつ寝るとお正月。いよいよ年末ですね。
年末といえば、大掃除。おばあちゃんの世代では「煤払い」なんて言っていました。実はこの煤払いはもともと単に掃除をするという意味ではなく、神棚や仏壇を清めて仏様に感謝をしたり、年神様をお迎えするお正月の準備をするための行事だったことを知っていましたか?

「煤掃き」「煤納め」などとも言われるこの煤払いは歳時記によると800年代くらいから始まったようです。その後、12月の吉日を選び、また雨でない日を選んで行うようになりました。
その後、江戸時代に12月13日に行われるようになったそうですが、これはその日が「事始め」といって、正月の準備を始める日であったことにちなむという説、江戸城では12月13日が煤払いの日として決められていたから庶民がそれに倣った、という説もあるようです。

この江戸城の煤払い、さすが将軍様の住まいというか時代というかかなり儀式化されていたようで、大田南畝の「半日閑話」にこのような記述があるそうです。

「煤払いに使う竹は雌竹と雄竹とをそろえ、まっすぐにして水引 きで結び合わせ、根松、薮こうじ、長熨斗をつける。13日の朝、老中の年男が長袴をつけて登場し、彼の案内により麻の裃をつけ正装した下男がこの竹を使い寝間、御座の間の両所を綺麗に掃き清める。これが終わるとお目見えとなり、吸い物とお酒を頂き退出を許される。」

・・・・なんだかものすごく物々しくて大変そうですね。

ならの薬師寺や唐招提寺など各地のお寺では、師走も深まった頃に大仏さまの1年分の煤を払う「お身ぬぐい」という行事があります。また中国でも歳の暮れに壊れた器物などを整理して捨てたり、除夜の晩に門を掃除し庭を清めるというしきたりがあったそうですので、どこの国でも新年を迎える気持ちは一緒なのかもしれませんね。
今年の年末はそんな先達の気持ちも想いながら、心を込めて掃除してみるのもいいかもしれません。

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