アイヌ文化の継承・創造発展の拠点となる施設「ウポポイ」のオープンを記念した切手セットが発売

Japaaan編集部

4月24日(金)、北海道白老町(しらおいちょう)ポロト湖畔に、アイヌ文化復興・創造の拠点となるナショナルセンター「ウポポイ(民族共生象徴空間)」がオープンします。

この「ウポポイ」のオープンを記念して、日本郵便から特殊切手「ウポポイ(民族共生象徴空間)」が発売されることになりました。

「ウポポイ」はアイヌ語で「(おおぜいで)歌うこと」を意味しますが、発売される特殊切手のデザインには、アイヌの伝統的な暮らしにちなんだものが描かれています。

マキリ(小刀)
アイヌ文様を彫り込んだ小刀です。動物を解体する、魚をさばく、裁縫をする、木彫品を作るなど多目的に使われ、男女ともに、いつも腰から佩緒(はきお)で提げていました。

イタ(盆)
木製のお盆で、アイヌ文様が彫刻されています。お盆は、食べ物を盛りつける食器のひとつとして使われました。文様は対称的に配置されたものが多く残っています。

ムックリ(口琴)
マウスハープに属するアイヌの伝統的な楽器です。紐を引いて弁を振動させ、口のなかに反響させることによって音を出します。

エムㇱ(刀)とエムㇱアッ(刀帯)
エムㇱは宝刀で、エムㇱアッはアイヌの男性が儀礼の際に、刀を盛装として身につけるための帯のことです。儀礼のほかに、刀を壁や祭壇に掛ける時にも使われました。

アットゥㇱ(樹皮衣)
アイヌの人たちの伝統的な衣装です。オヒョウやシナノキなどの繊維から作った糸を織って布をつくり、それを仕立てて伝統的な文様の刺繍などを入れました。

タマサイ(首飾り)
日本本土や沿海州方面との交易で手に入れたガラス玉を多数貫いた首飾りです。中央部には「シトキ」と呼ばれる金属板が取り付けられる。母から娘へ、女系で伝えられる財産です。

トンコリ(五弦琴)
樺太(サハリン)や北海道の北部に伝承された長さ 1m前後の弦楽器です。5 つの弦が張られていて、この弦をはじくことで曲を奏でます。

アイヌ古式舞踊
UNESCO 世界無形文化遺産に登録されています。踊りには、キツネやタンチョウなど生き物の姿をまねた踊り、悪い神を威嚇する呪術的な踊り、それにお盆や棒を使ったゲームの要素を盛った踊りなど、多くの踊りがあります。切手のデザインは「サロルンチカプリムセ(鶴の舞)」です。

イクパスイ(捧酒箸)とトゥキ(杯)
カムイ(神)に祈りを捧げる際に使います。トゥキは漆器で、このなかにはお酒が注がれます。イクパスイはさまざまな彫刻が入ったヘラ状の儀式用具で、この先端にお酒を付けて祈りをささげるとお酒とともにカムイのもとに祈り言葉が届くと考えられていました。

ルウンペ(木綿衣)
本州などから入ってきた木綿で作られた衣装で、細く切った色布を貼り付け、刺繍を施しています。おもに北海道の南の地域でつくられました。

84 円郵便切手10枚セットの1シート単位(840円)での発売となり、シートにはウポポイの完成イメージ図が描かれています。

特殊切手「ウポポイ(民族共生象徴空間)」は年 4 月 21 日(火)から全国の郵便局や郵便局のネットショップなどで発売されます。

ウポポイ(民族共生象徴空間)

 
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