取り組みが決まるのは、いつ?
大相撲の初日から千秋楽までの取組みは、相撲ファンならどの1日を取っても楽しみなものです。でも相撲の取組みって、いつ、誰が決めているのでしょうか?
実は本場所の初日と2日目の取り組みは、初日の2日前に既に決まっています。そして3日目から千秋楽までは、それぞれ前日の午前中に決まって発表されます。
これは初日からすべての取組みを決めてしまうと、休場者が出たときに「不戦勝」となってしまうことと、本場所中の優勝争いを含む各力士の成績によって千秋楽までお客さんが楽しめるように配慮しているのが理由です。
基本的には幕内下位~十両の力士は序盤は番付の近い者同士での取組が組まれますが、横綱や大関は序盤に関脇以下の力士と対戦し、千秋楽に横綱や大関同士、横綱と大関などの対戦が組まれることになっています。
また幕下以下の力士の場合、2日に1番、つまり1場所7番の相撲を取るため、偶数日の幕下の取組終了後に翌日と翌々日の2日分の取組をまとめて決め、13日目以降の分は12日目に3日分まとめて決めることとなっています。
誰が取組を決めているの?
その取組みは、審判部による「取組編成会議」で、1971(昭和46)年7月施行の「取組編成要領」に基づいて決められています。
この会議に出席するのは、
・審判部長
・審判部副部長
・審判委員
のうちの、進行中の取組みに「勝負審判」として出場していない親方と、副理事です。
さらに行司が「書記」として同席します。
急な休場者が出た場合はどうするの?
さて、2019(令和元)年11月場所8日目、角番だった大関・高安が土俵入り後にぎっくり腰で途中休場するという緊急事態が発生しました。
突然「今日は不戦勝」と告げられた対戦予定の宝富士も驚いたことでしょう。しかし当日に休場者が出た場合、もっと慌てるのは審判部です。
高安の休場が決まった時点で翌9日目の取組みは全て決定していたため、急遽取組みを再編(割返し)しなければならなくなったのです。
結局9日目の幕内の取組は、18番中10番が変更されました。それでも、8日目の全取り組み終了までに翌日の取組み再編をやってのけた審判部には、あっぱれと言わざるをえませんね。