皇居ランナー必見!知って走ればもっと楽しい江戸城の門を紹介3「大手門」

小山 桜子

東京のどのエリアからもアクセスが良く、オフィス街からも近い皇居外周路は、日本で最も有名かつ人気の高いランニングスポットのひとつとなっています。昨今のランニングブームもあり、皇居ランナーは年々増加傾向にあるのだそう。

皇居外周にはいくつかの門があり、距離の目安にもなっているようですが、さて、ランナーの皆さん、その門の歴史をご存知でしょうか。実は何気なく走りすぎている方も多いのでは?

しかしながら、スルーしていたあの門も、あの門も、元を辿れば400年の歴史を誇る江戸城の門なのです。門の歴史を知れば、走るのがもっと楽しくなるかもしれません。

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大手門

さて、つい先日、天皇陛下ご即位をお祝いする国民祭典が行われたばかりの興奮冷めやらぬ二重橋前広場から少し離れて、今回は大手門をご紹介します。

ランナーは桜田門からスタートし、内堀通りに沿って祝田橋の交差点を曲がり、右手には和田倉噴水公園を、左手にはお壕の中の巽櫓を望みつつ進みます。そのまま桔梗壕に沿ってランニングを進めてゆくと、やがて現れるのが大手門です。

大手門は一般に開放されている皇居東御苑への入り口の一つです。現在は平日であっても東御苑を訪れる人々の行列が長く伸びていることが少なくありません。一般的に最も有名かつ、人気の高い門と言ってもいいかもしれませんね。

慶長12年(1607年)に藤堂高虎によって完成された大手門。実は江戸時代にも、門前には行列が長く伸びていたそうです。それというのも、大手門は江戸城と城下町をつなぐ正門で、五節句・八朔などはもちろん、毎月1日・15日・月末には定例登城のため、諸大名が行列でこの門の前にやって来たのです。

門に着くと、大名たちはわずかな従者たちだけを連れて中に入っていきましたから、取り残されたその他大勢の従者たちはこの大手門でずっと待機していたそう。

ちなみに、現在門の中に飾られているシャチホコは、その時に渡櫓門の屋根に飾られていたシャチホコで、江戸の明暦年間に製作されたものだそうです。

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