津波の記憶とともに生きた杉で再生した幼稚園

Japaaan編集部

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正面から見た姿はまるで寺院のようですが、実は幼稚園。いろんな意味や思いが込められた意匠がちりばめられています。

デザインされたのは株式会社手塚建築研究所の手塚貴晴さん、手塚由比さん。東日本大震災の津波で立ち枯れした巨大な杉並木を使って建設した南三陸町のあさひ幼稚園がグッドデザイン賞ベスト100を受賞しました。

津波で園舎が流失してしまってから、こどもたちは小学校や公民館を借りた臨時幼稚園で過ごしていたのですが、日本ユニセフの支援により2012年7月末に落成した新しい『自分たちの園舎』で思いっきり遊べるようになりました。

キツツキの巣の跡がのこされた杉の木、園舎をぐるりと囲った回廊、風が吹き抜ける廊下、仲間はずれを作らないという思いのこめられた仕切りのない園舎には、ぬくもりのある杉の香りが広がります。

単なるリサイクルではなく、杉木立を愛していた地域の人たちひとりひとりの想いを象徴しその背後に脈々と流れる壮大な物語にこそある、ということを思い知らされる建築デザインです。

実はこの素敵な園舎も仮設園舎で近々引っ越しをしなければいけないんだそうです。

将来の町を担っていくこどもたち、南三陸の津波の歴史とともに生きた杉でできた建物で、すくすくのびのびと育って欲しいですね。

学校法人平成学園 あさひ幼稚園
住 所 : 南三陸町志津川字沼田100−62
お問い合わせ : 0226-46-3621

南三陸町公式 復興情報発信ブログ「南三陸なう」
日本ユニセフ協会

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