着物を最後まで大切に。アロハシャツは日本人が和服をシャツにリメイクしたのが起源

湯本泰隆

筆者の住んでいる長岡市では、2012(平成24)年にハワイのホノルル市と姉妹都市提携を結んでいます。そのため、夏の花火の時期になると、市役所の職員がアロハシャツを着て業務に当たっている姿を見ることができます。

確か筆者が旅行で鎌倉に行ったときも、江ノ島電鉄の職員さんたちがアロハシャツを着用して業務に当たっていた記憶があります。

このように、日本でも意外と身近なところで利用されているアロハシャツ。実は、日本人が作ったのが起源だとされている説があるのはご存知でしたか?

和服をシャツに仕立て直したのがきっかけ

そもそも、ハワイの人たちはもともと、木の皮からタパと呼ばれる布を作り、それで衣服を作っていて、いわゆるシャツという概念はありませんでした。その様子は、20世紀初頭になっても変わらず、ハワイの農園労働者は「パラカ」といわれる開襟シャツを着用していました。

農園労働者としてハワイに移住してきた日本人たちは、日本から持参した着物をとても大事に着まわしてきました。そして、いよいよ擦り切れて着物としての用を足さなくなったとき、それをなお有効に活用するために、使える部分をパラカ風シャツに仕立て直して子どもたちに着せていました。着物独特の色や柄が現地の人々にとって新鮮でエキゾチック、とてもオシャレに映ったのでしょう。

20世紀初頭、そうした着物地のシャツを見た現地の人々が、それを真似して市販の着物や浴衣の生地でシャツを作って切るようになり、 これが現在のアロハシャツの原型となったと考えられています。

3ページ目 アロハシャツは地元の若者やアメリカ観光客に流行!

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