富士山の女人結界が解かれる以前に、男装をし女性で最初に富士山に登った「高山たつ」

湯本泰隆

山梨県と静岡県にまたがる日本一の山・富士山。

日本を代表するこの山は、古くから霊峰として人々の信仰を集めてきました。こういった霊峰の多くは、かつては女性が登頂することはできませんでした。

それは、一説には、山岳信仰を広めた修験者たちが、山にこもって厳しい修行をする中で、特に女性に対する愛欲や求道心を惑わすものとして、山中は女性との交渉を一切禁止としたものが、長い月日を過ぎるうちに、血の穢れの思想とも結びつき、女性が本質的に神仏に近づいてはならない風潮が生まれてしまい、これが真理であるかのように定着していったとされています。

また山の神は女神であることが多く、霊峰に限らず、そもそも山に女性が登ることは山の神の嫉妬を産むことになり、禁止されていたことがそのまま「女人禁制」につながったとも考えられています。

3ページ目 富士山で「女人結界」が解かれたのは明治5年

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