江戸時代〜昭和時代にかけて制作された図案集や文様集を紹介する「江戸〜昭和時代のめちゃくちゃ使える図案集」。今回は昭和時代に制作された図案集「聚祇帖(しゅうぎじょう)」を紹介します。
図案集「聚祇帖」は、昭和9年(1934年)に芸艸堂から刊行された図案集で、作者は河原崎晃洞(かわらざきしょうどう)という人物。河原崎晃洞は、今回紹介する「聚祇帖」の他にも「花詩集」「聚古文様」といった図案集を芸艸堂から出版しています。
「聚祇帖」は、鳳凰の巻、龍の巻、獅子の巻の3巻からなる図案集で、日本で古くから様々な装飾に使われてきたモチーフである「鳳凰」「龍」「獅子」を使用した様々なデザインの図案をまとめています。
多色摺りの木版画で、美しいグラデーションも見どころのひとつ。シンプルなものからカラフルなものまでテイストは様々ですが、竜の尻尾や鳳凰の羽根に見られる流れるような曲線がとても美しく感じられます。
聚祇帖は現在、スミソニアン博物館のデジタルコレクションでオンライン公開中で、ブラウザから無料でどなたでも閲覧することが可能となっています。昭和初期の伝統的な図案の特徴を知る素晴らしい資料かと思いますので、ぜひご覧ください!