日本の企業には年功序列や終身雇用といった独特の雇用の形態があります。最近ではこういった形態をとらなくなってきた企業も増えていますが、実はこうした日本ならではの企業形態が老舗企業を守り育ててきたというふうに言えるのです。
終身雇用というと最近では悪い面にばかり注目が集まってしまいがちです。しかし、長い年月に渡って安心して同じ企業で働けるということは、その企業での仕事のやり方・スキルといったことを充分に学びそして発展させていくことができる人材に成長していける可能性があるということでもあるのです。
結果として、日本には創業200年を越える老舗企業がなんと3000社以上も存続しているのです。
この老舗企業が3000社以上存続しているというのは、世界でも最も多い数になっています。また、世界で最も古い企業ランキングを作成すると、その上位3位を独占するのが日本企業ということも知られています。
1位 金剛組
2位 財団法人池坊華道会
3位 西山温泉 慶雲館
1位の金剛組に至っては聖徳太子が四天王寺建立の際に集めた宮大工達によって結成されたというふうにも言われているほどで、驚くほどの長い期間に渡って存続し続けているということが分かりますね。
ドキュメント管理サービスで人気を博しているEvernoteも、日本の老舗企業に感化され「自社を今後100年続く企業にしたい」という目標を掲げています。
日本企業の古い体質が悪く解釈されることが多い昨今ですが、伝統技術の継承やその発展という点においてとても優れているというふうに考えることもできますね。