「ほだれ祭り」や「秋葉の火渡り」「巣守神社裸押合大祭」など、中越地区でも奇祭が多いことで知られている新潟県長岡市栃尾。
そのなかでも毎年8月の第四日曜日には、上樫出地区の音子神社にも一風変わった奇祭が行われています。祭りの名前は「珍棒地蔵祭り(ちょんぼじぞうまつり)」。「ちょんぼ」とは、地元の言葉で男根のことを指すといいます。
同神社の境内で、巨大な男根を持った地蔵を泥でつくり、「子孫繁栄」「五穀豊穣」を祈るお祭りです。
その起源は天保の頃(1830年~1844年頃・江戸時代)といわれ、一時期廃れていたようですが戦後地域おこしの一環として復興したそうです。
かつては境内の掃除をしてから、池の泥上げでひきあげて泥を使ってつくっていたそうですが、現在では朝早くから集落の人たちが集まり、地蔵づくりを行います。
午前中は、木枠や石で大まかに骨組みを作り、その上にこねた泥を塗りつけてお地蔵様の形が作られていきます。午後からは、仕上げ作業という流れです。
髭や眉毛の毛などはシュロや麻のような繊維で作ります。
昔は、この「珍棒(ちょんぼ)地蔵」を作った夜に、宮参りを行い安産・子育て・子孫繁栄と農作物の豊穣を願ったそうです。現在は、宮参りは行われておらず、神社の掃除や地蔵作ったあとに地元の人たちが集会所に集まって飲み会をしています。
2ページ目 地域の人によって守られ、受け継がれてきた大切なお祭