雅なるファストフード・衣笠(きぬがさ)丼、なか卯のメニューに登場

独虚坊

なか卯が、衣笠丼を発売しました。

衣笠丼。カープの鉄人・衣笠祥雄がプロデュースしたり、あるいはトリビュートされた丼では、ありません。油揚げとネギを卵でとじた、京都のご当地丼のこと、らしいです。「らしい」と書いたのは、情報ソースが不確だからでは、ありません。裏鬼門の外れとはいえ一応京都府民の私にとって、この丼、あまりにも馴染みが深過ぎるからです。「ご当地丼」などと言われると、かえって混乱するからです。


私の母が丼を作るとなれば、決まって衣笠丼でした。私自身も、そうです。というか、「衣笠丼」という名前を意識したことさえ、ありません。丼といえば、「油揚げとネギを卵でとじた」ものと、決まってるからです。何故決まってるのかといえば、作るのがあまりにも簡単だからです。

「お揚げさん(京都では油揚げと芋に敬称をつける)」を大雑把なサイズで切り、ネギを大雑把なサイズで切り、出汁に放り込んでしばらく煮て、卵でとじて飯にかけたら、出来上がり。極端に、簡単です。材料の入手にも、手間をかけません。油揚げは、老舗だの手作りだのにこだわらず、スーパーで安価に調達。ネギも「九条ネギを使う」などと書くとこだわりがありそうに見えますが、京都近辺に住んでたら、ネギは普通、九条ネギ。それ以外のネギを探す方が、かえって面倒でしょう。

京都は商売をしてる家が多いので、おばんざいを筆頭に省力化された食が妙に充実してますが、衣笠丼もそのひとつと言えるかも知れません。卵だけやと、ちょっと寂しいし。肉入れると、手間もお金もかかるし。ちゃっちゃと作れて、ちゃっちゃと食べれるもんが、いい。そんなニーズにばっちり応える、衣笠丼。牛丼とは異なる、雅なるファストフードというわけです。

材料も調理も簡単な割に、今まで牛丼店などに登場しなかったのは、肉が入ってないのがインパクト弱に感じられたんでしょうか。なか卯はそこを逆手にとり、肉が苦手な女性をターゲットにした商品として展開していくんだそうです。

新登場「衣笠(きぬがさ)丼」! – 和風牛丼とうどんのなか卯

京の味「衣笠丼」全国区へ なか卯メニュー、女性ターゲットに – 京都新聞

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