仙台平とは?フィギュアスケートの羽生結弦選手が国民栄誉賞授与式で着用した袴について

増田 吉孝

平昌冬季オリンピックのフィギュアスケート男子で優勝し、見事2大会連続の金メダルを獲得した羽生結弦選手に、本日2日、国民栄誉賞が贈られました。スケート選手の国民栄誉賞授与は羽生結弦選手が初めてで、さらに最年少での授与となります。

本日の表彰式で羽生選手は紋付袴姿で出席しましたが、この袴は羽生選手の地元・仙台の伝統工芸「仙台平(せんだいひら)」のもので、人間国宝である甲田綏郎(こうだよしお)氏から直々に贈られたものなんだそうです。

仙台平とは?

仙台の伝統工芸・仙台平とは、正式名称「精好仙台平(せいごうせんだいひら)」と言って、仙台に伝わる袴地用の絹織物です。江戸時代の中期頃に京都から技術が持ち込まれ、発達しました。重要無形文化財に指定されています。

精好仙台平の特徴は、二本引き揃えの経糸(たていと)に、緯糸(ぬきいと)として撚(よ)りのない生糸を何本か引き揃えて濡らし、強く打ち込むところにあります。均一でむらのない製織で、出来上がった織物は張りはあるが固くなく、しなやかな独特の風合いを持ちます。

人間国宝 甲田綏郎

今回、羽生選手にこの仙台平を贈られた甲田綏郎氏は、宮城県仙台市生まれで、現在89才。仙台平の技術保持者であった父に早くから師事し、仙台平を学びました。

昭和51年(1976年)に宮城県指定無形文化財技術保持者の認定を受け、平成14年(2002年)に、重要無形文化財技術保持者として認定されました。そして平成16年(2004年)には、旭日小綬章を受章。

古くから仙台に伝えられてきた仙台平。今回、羽生結弦選手が授与式で身につけたことで、仙台平の事を初めて知ったという人は多いでしょうね。

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