似すぎて微笑ましい♪葛飾北斎の門人・魚屋北渓の「北渓漫画」が北斎漫画そのものだった

増田 吉孝

江戸時代の浮世絵師の中で世界的に見て最も有名なのはやはり葛飾北斎でしょう。アメリカのライフ誌に「この1000年で最も重要な功績を残した世界の人物100人」に選出されたことでも話題になりました。

葛飾北斎のような偉大な絵師の元には、画力をつけようと弟子入りを申し入れる人物もやはり多く、北斎の門人は数多く存在していました。でも北斎の門人の中で一般的に広く知られている絵師ってあまりいないんですよね。最近では映画やテレビドラマの主人公になった北斎の娘・葛飾応為が知られてきた程度でしょうか。

今回は、北斎のもとで北斎作品の手伝いをしながら絵の技術を磨いていた絵師「魚屋北渓」の作品を紹介します。

魚屋 北渓(ととや ほっけい)。魚屋と書いて”ととや”と読みますが、実は魚屋北渓、実際にお魚屋さんだった人物。江戸で魚屋を営んでいましたが一念発起し北斎のもとに入門。そこから絵師の道を歩むことになります。肉筆画においては特に素晴らしい作品を残していると評価されています。

こうやって見てみると、衣服の輪郭の描き方や大波の描き方など、北斎の門人だったことが伺えるタッチがところどころに現れていて面白いですね。

このような感じで北斎の影響をモロに受けている作品が、絵手本「北渓漫画(ほっけいまんが)」です。名前からもわかるように、葛飾北斎が手がけた人気絵手本「北斎漫画」を彷彿とさせる絵手本になっています。

2ページ目 おいおい、北斎漫画に激似じゃないか(笑)

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