大道具仕掛けも見もの!桜の季節に見たい歌舞伎「金閣寺」はディズニーもびっくりのファンタジー

芳川末廣

長かった冬もようやく終わりを告げ、今年も桜の季節がやってきましたね。今も昔も日本人は桜が大好き。歌舞伎の演目の中にも桜の花が印象的な作品はたくさんあります。なかでもとりわけ幻想的で美しい演目「金閣寺」をご紹介しましょう。

歌舞伎における「金閣寺」とは

「金閣寺」は「祇園祭礼信仰記」という全五段の浄瑠璃の四段目にあたり、宝暦7年に人形浄瑠璃として初演された際には三年越しのロングランとなった大ヒット作です。大道具の仕掛けを使った金閣寺のせり上げが評判を呼び、歌舞伎でもこの場面が繰り返し上演されてきたため「金閣寺」と通称されています。

天下を狙う大悪人の松永大膳によって京都北山の金閣寺に捕らえられた、雪姫という女性がこの演目の主人公。三姫と呼ばれる女形の大役三つのうちの一つに数えられています。

桜に縛られる美女の嗜虐美

雪姫に横恋慕していた松永大膳は、夫の狩野之介直信に代わって天井に龍の絵を描くか、自分のものになるかを雪姫に迫ります。困った雪姫は「お手本がないと龍を描くことはできないし、大膳さんの意にも従うことはできません」と断りました。

すると大膳は雪姫を桜の大木に縛り付け、無慈悲に「直信を殺せ」と命じます。その上、大膳こそが雪姫の父の敵であることも判明。憎き大膳に捕らえられ、夫まで殺されてしまいそう。なのに身動きが取れない…これは絶対絶命のピンチです。さあ、どうする雪姫…!というのが、簡単なあらすじです。

雪姫が桜の大木に縛り付けられ悲しみ嘆くところへ降り注ぐ、花吹雪の演出は圧巻。絢爛な金閣寺の大道具と可愛らしい鴇色の衣装に舞い散る桜の花びらが映え、数ある歌舞伎の名作の中でも特に美しい場面です。

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