九谷焼の窯元である上出長右衛門窯の6代目・上出惠悟(かみで けいご)氏は、九谷焼の伝統を守りつつも、現代の感覚を活かした発想で窯をプロデュースし、作家個人としての作品も注目を集めています。
長右衛門窯が60年描き続けている伝統的な絵柄「笛吹」が、スケボーに乗ってみたり、ラジカセを担いだり、楽器を演奏したりとユーモア溢れる洒脱な湯呑は、目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。Japaaanストアでも販売中です。
大学で絵画や現代美術を学んでいた上出さんは、家業の九谷焼の現場で素材と対峙する中、卒業制作として「甘蕉(バナナ)」をモチーフとした作品を発表。それ以来、「甘蕉」は制作を続ける上で重要なテーマの一つとなり、代表作として認知されるようになりました。
一見すると白いバナナに見える作品は、すべて磁器作品。長右衛門窯でのお仕事をされる前から、12年に渡って作り続けているモチーフなんだそうです。
九谷焼日本橋高島屋6階美術画廊Xで開催される個展「上出 惠悟 わすればなん Forgotten banáns」では、「甘蕉」を中心に約20点を発表されるとのこと。さまざまな暗喩を内部に含む、上出さんの作り出すバナナ。こんなに意味ありげで、可愛らしく美しいバナナには、つい目を奪われてしまいます。
本展は、作家個人としては久しぶりの発表となるのだそう。入場は無料となっておりますので、お近くにお出かけの際には、ぜひご覧になってみて下さい。
【展覧会情報】
上出 惠悟 わすればなん Forgotten banáns
会期:3月22日(水)~4月10日(月)
会場:日本橋高島屋6階美術画廊X
日本橋高島屋
【作家によるギャラリートーク】
「わすればなし」4月1日(土)午後3時~
上出さんのサイト、個展「わすればなん」によせて forgottenbanansでは、他の作品の写真も掲載されています。