ジパングセラミックの神髄
ジパングはカタイ(中国北部)東方海上1500マイルに浮かぶ島国。莫大な金を産出し、宮殿や民家は黄金ででき、財宝に溢れているとマルコ・ポーロ「東方見聞録」は伝えています。
ジパング(日本)は、当時の西洋人からなにかと”宝の山”のような国と思われていたのでしょう。黄金に溢れた国ではありませんが、海外の人が賞賛する職人技が日本にはたくさんあります。そのひとつが、常滑焼(とこなめやき)や九谷焼(くたにやき)などの陶磁器です。
この歴史あるふたつの伝統工芸がコラボした美しい急須が誕生しました。
日本六古窯のひとつ「常滑焼」
常滑焼とは、愛知県常滑市を中心にその周辺の知多半島内で焼かれる焼き物です。平安時代から受け継がれた1000年以上の歴史のある、日本六古窯(にほんろっこよう)のひとつなんです。
日本六古窯とは
古くからある陶磁器窯のうち、中世から現在まで生産が続いている6つの代表的な窯のこと。
- 瀬戸焼
- 常滑焼
- 越前焼
- 信楽焼
- 丹波立杭焼
- 備前焼
焼き物といえば美濃焼を思い浮かべる人が多いでしょうが、美濃焼以外にも優れた陶磁器があることを紹介するために日本六古窯が選ばれたそうです。
朱泥とよばれる独特の赤が特徴
常滑焼は陶土に含まれる鉄分を赤く発色させるのが特徴となっています。朱泥(しゅでい)と呼ばれる赤褐色が素朴でとても上品なので、急須として古くから日本の食卓で大切に使われてきました。比較的軽くて、持ちやすく、繊細な地柄がとても上品な急須は、どんな茶器にも合わせやすいのでとても人気があります。
九谷焼の上絵付士が描いた柄が絶品の美しさ!
常滑焼の伝統工芸士である「玉光」氏が焼き上げた急須に、九谷焼の上絵付士である「次盛」氏が絵付けし、完成した急須。深みのある色に桜の花びらがちりばめられた華やかな逸品ですね。
なんと、常滑と九谷の両方の窯で4度焼かれているそうです。こんな美しく上品な急須で、新年の食卓を彩るのも素敵ですね。