2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、さまざまな準備が進められています。そのうちの一つが、公共施設などの案内用マークの見直し。政府の検討会議で変更を検討しているマーク90種類の中に、湯気をデザインした温泉マークが含まれていました。
2016年7月には新しい温泉マークとして、3人が温泉に浸かっているマークが発表されましたが、従来のマークを変えないで欲しいと希望する意見が多いことから、デザイン変更から一転、存続の方向で検討することになったそうです。
外国人と日本人それぞれ1000人を対象に行なったアンケートでは、新しい温泉マークは外国人の7割がわかりやすいと答えましたが、日本人の6割は現在の温泉マークのほうが理解しやすいと答えたという結果が示されました。
現在のマーク、慣れてしまった日本人にとっては温泉以外の何ものでもないのですが、外国人にとっては「焼肉」「何か熱いもの」など、温かい飲食物を提供するスポットだと思われることが多いようです。
温泉のまち別府市では、今の温泉マークの存続を求めて署名運動が行われています。あの温泉マークを世に広めたのは、別府観光の父と呼ばれる実業家の油屋熊八氏なんだそうです。現在も別府駅前の銅像は、温泉マークがついたマントをなびかせて、観光客を出迎えています。
「赤ちゃんの顔に見える」などと、あまり評判のよろしくなかった新しいマークですが、馴染み深いこれまでのマークを使用継続の方向に進んだことで、安心された方も多いのではないでしょうか。
2016年3月には、国土地理院が新たに決定された15個の「外国人向け地図記号」を発表しています。こちらの記号は外国人向けの地図記号なので、日本で使用されている地図記号はこれまで通りに使用されます。詳しくは以下記事から。
どれが何の施設かわかる?国土地理院が、決定した「外国人向け地図記号」を発表しました
洗濯表示も国際規格に合わせて変更されたり、ピクトグラム変更のニュースが増えています。国際標準化によって得られるメリットも多々ありますが、慣れ親しんだマークが変更になるのは少しさみしい気もしますね。
Source:NHKニュース